二酸化チタンは半導体物質であり、ある特定波長以下の紫外線を吸収し電子と正孔が生成すると言われています。通常はすぐに再結合して消滅しますが、光触媒では再結合する前に他の物質と酸化還元反応が起こりやすくなります。
二酸化チタン光触媒の特徴は正孔の強い酸化力にあります。直接有機物を酸化したり、水と反応して酸化力の非常に強いヒドロキシラジカルを生成し、これが有機物質を酸化します。
 一方、電子は空気中の酸素を還元してスーパーオキサイドアニオンを生成し、これも抗菌や有機物質の分解に寄与し、過酸化物や水に変化していくと考えられています。
 このような化学物質が効率よく生成されるためには、電子や正孔が二酸化チタンの表面に現れやすくする必要があり、そのためには二酸化チタンの粒子の大きさを極力小さくしなければなりません。
現在市販されている光触媒用の二酸化チタン粒子の大きさは100nm以下のものが殆どですが、このページで紹介している製品は10nmと細微粒子です。
 この光触媒の強い酸化力によって、見かけ上様々な効果が期待できます。例えばガラスの表面などに二酸化チタンをコーティングして太陽光や蛍光灯の光を照射すると、有機物の汚れの分解、空気中や水中の有機物質の分解・殺菌などが容易に起こる。一方、二酸化チタン自体は全く変化しないため、光触媒の効果は半永久的に持続できることになります。
 光の中のわずかに含まれる紫外線によって、このような効果を発揮するわけですが、光触媒は光の強度が弱ければ弱いほど有機物の分解に有効に使用される光の割合(量子効率)が良くなるという特徴があり、したがって弱い蛍光灯の光でも十分な効果が出るという特徴も備えています。

 難しい話しになってしまいましたが、良く例えられるものとしては植物の光合成があります。それと同じように光により有害物質や細菌・悪臭などを無害なものへ変化させる力を持っていると言うことです。
図像
光触媒の仕組み 酸化チタンの光触媒作用
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